大会長挨拶
認知症の病態理解とその新たな診断・治療・ケア展開
第25回日本早期認知症学会学術大会 大会長
聖マリア病院脳神経病理主幹
久留米大学医学部病理学講座客員教授
杉田 保雄
令和7年12月20日(土)、12月21日(日)の2日間、第 25 回日本早期認知症学会学術大会を久留米シティプラザにて開催させていただきます。九州地区での本学術大会開催は小林清市大会長(第17回、熊本市)以来9年ぶりです。このような機会をいただきましたことを、大変光栄に存じます。
本学会は医師、歯科医師、理学療法士、看護師、薬剤師、医工学、介護のケアワーカー、認知症ケア専門士等々、文字通り認知症の医療、看護、介護の現場で働く方々の多職種すべての方々に参加していただく学会です。そして、本学会は認知症の病態、診療、ケアについての情報を社会に発信してまいりました。
認知機能に障害を有する患者は2040年にはMCI(軽度認知機能障害)患者584万人、認知症患者613万人と予測されています。注目すべき点は認知症患者数の増加と共にMCI患者などの早期認知症患者数の劇的な増加が予測される点であります。一方、昨年度から本邦におきましてはアルツハイマー病に対する新規抗体治療が始まりました。今、まさに認知症診療の変革の時代を迎えつつあり、本学会が従来より提唱してきた早期認知症対策の意義の重要性が高まっています。それゆえに本大会のテーマは「認知症の病態理解とその新たな診断・治療・ケア展開」といたしました。
今回のプログラムでは各分野のエキスパートの方々に Alzheimer型認知症に対する新規抗体治療、再生医療、社会医学、法医学などの教育・特別講演を御願いしています。またシンポジウムとして多職種共同の認知症ケア、認知症の神経病理学、First Mongolia - Japan Co-hosted Symposium on Early Stage of Dementiaを予定しております。さらに各分野の専門家の演者の方々の講演をお聴きいただきつつ、演者の方々に躊躇なく質疑できる機会として、また交流を深める場としてご活用いただける準備を整えております。
2025年12月、「久留米シティプラザ」で皆さまにお会いできることを心待ちにしております。ぜひ、本学術大会に参加くださいますよう、心よりお願い申し上げます。